行き詰った交渉を打開する方法

怒らせるのも交渉

かなり以前の話です。
面倒な交渉をまかされたことがあります。
お客様が大変怒っていて、担当者では話が進まないので代わりに対応してくれと上から指示があり、そのお客様の自宅へ伺いました。

話を聞くと、少々こちらにミスがあり、お客様が怒るのも無理は無い話しでした。
そこで、問題となったことに対して、安全性のチェックをやってみました。

大学の助教授に立ち会ってもらい、試験を行い、助教授名で所見も書いてもらい、安全性に問題はありませんという報告書を提出しましたが、まったくお客様の怒りはおさまっておらず、だんだんと収拾のつかない雰囲気になっていきます。

この交渉をまかされてから、2週間ぐらい経っていました、そろそろ決着をつけなければならない時期にきています。
工事が途中で止まったままですから、会社もお客様も困ってしまうことになります。

今日で決着を付けよう! と伺ったお客様のお宅で、最終的な話し合いをしました。
お客様の要望がどうもはっきりしないのです。

  • 壊して作り直せというのか
  • 金銭的に解決しようというのか

具体的に少し説明します。

オープンタイムという言葉があります。
2液性の接着剤を混ぜ合わせて、硬化が始まるまでの時間をいいます。
セメントと砂を混ぜてモルタルを作りますが、やはりモルタルにもオープンタイムがあり、固まってしまったモルタルは使えません。

問題となったのは、コンクリートです。
住宅の基礎に打設したコンクリートが、3時間以内に打設しなければならないと、仕様書に記載されていましたが、4時間後になってしまいました。

この1時間の遅れをお客様は指摘して、問題となったものです。
「誠意がない!!」というばかりで、具体的にどうしてほしいとは、まったく言ってくれません。
このままでは、埒があかないと思った私は・・・・・
こうなればもっと怒らせてしまえ!と考え・・・・・

じゃあ、どうすればいいんですか!!と一言!

これまでも、冷静さを欠いていたお客様は、まさに烈火のごとくに怒り出し、自室に閉じこもってしまいました。
残った、奥様に挨拶をして、すごすごと帰ることに・・・・・

「じゃあ、どうすればいいんですか!!」
これって、開き直りです。

もう打つ手がありません、完全に交渉は行き詰まっています。
最後の手段の開き直りです。

開き直ると、当然、お客様はもっと怒ります。

ところが、人間というものには限界があります、怒りにも限界があります。
限界を超えると、怒りはおさまってしまうものです。
怒りがおさまると、冷静になり、収拾をはかろうとするのが人です。

このお客様もそのとおりの行動に出ました。

担当者に代わって窓口となった私とは、これで終わりです、これ以上、私と話をしようという気持ちにはなりません。
そこで、お客様は、もともとの担当者に電話をして、その後の窓口として指名したわけです。

こうして、開き直るようなことのない担当者と、話をした結果、若干のサービス工事をすることによって、話は丸くおさまり、工事は続行されました。

お客様の私への評価はさんざんなものです。
とんでもない奴だ、あんなのが担当でなくて良かった!

時には怒らせることが、解決への早道となる!・・・・・と思ったものです。

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