団体交渉は交渉にあらず

団体交渉から生まれるものは?

野次と怒号が混じって行われる団体交渉。
団体交渉から生まれるものは・・・・・?

交渉ごとは最終的には妥協点を見出して、互いの利害のギリギリのところで解決をはかることになります。
利害を判断するのは交渉の当事者だけではなく、当事者の背景にある組織が利害にからむものが団体交渉です。

賃上げ交渉や労働条件交渉、損害補償交渉や工事の取止め交渉、様々な団体交渉がありますが、団体の組織員にはまた、いろんな考えを持つ人がいます。必ずしも意見が一致して団体交渉の場に臨んでいるわけでは無いということが、団体交渉を考えるポイントです。

組織の代表者同士が、個別の交渉によって結論が導き出せて、それが組織の総意となるのであれば、団体交渉の必要性はありません。組織にはいろんな考えの人がいるから、いろんな考えの人たちに交渉の過程を明らかにするために行います。
数の力で交渉を有利にしようというものではありません。

団体交渉によって、合意を求めようとする場合には、ほとんど事前に代表者同士の意見交換が行われます。俗に言う根回しですね。
合意を求める必要の無い場合には、根回しは行われません。団体交渉は儀式でいいわけですから。

つまり、団体交渉とは初めからゴールがわかってやるものです。

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団体交渉が決裂する理由

合意するつもりが無く団体交渉を行いますので、当然結果は決裂となります。
決裂したという結果が大事なことなのです。組織は決裂という結果をうけて次にどうするかを考えます。

先日(2008.6.20)行われた大阪府の人件費削減に関する団体交渉は、橋下知事の財政再建に立ち向かう姿勢のみが強調される結果となりましたが、まさにそれが目的であったと言えます。

マスコミの論調は、橋下知事支持のニュアンスが強く、府労連側としては世論を無視するわけにはいかなくなってきます。
しかし、安易に妥協してしまっては、組合執行部への風当たりが強くなり組織がもちません。
そこで、職員内に『人件費削減は止むを得ないか!』という意識の変化が生まれるのを待つことになります。

この日の団体交渉が決裂に終わる事は、両者もおりこみ済みで、むしろ予定通りの結果となったわけです。

団体交渉を成立させる手法

先に書いたように、交渉の合意点は事前に協議されます。組織内の意見がバラバラな状態でも、意見の一致が図りやすい方向は必ずありますので、その方向の見極めをいかに正確に行うかが大事なことです。
この見極めは相手方が行うのではなく、組織の代表者が行う必要があります。相手方は、組織内の様々な意見について把握できていませんから、不可能です。

大阪府の団体交渉を例にすると、府労連の執行部が一番いま頭をかかえています。橋下知事は言うべきことは言った、あとは職員側が判断してくれ!とボールを投げた状態です。幸い世論も味方についているし・・・・・という具合です。

相手側に考えさせる・・・・・この手法が団体交渉では、大事なポイントです。

無理に妥協点を見出そうとすると、自分の立場を苦しくさせるだけです。答えを相手側に出させる。苦しい立場の方が、より妥協点を低くして成立を図ろうとします。
したがって自分よりも相手方を苦しい立場に立たせることが、団体交渉を成立させる秘訣となります。

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