賃貸事業は30年ぐらいのスパンで、考えなければならないことは言うまでもありません。
今後30年を考えた時に、押さえておかなければならないポイントがいくつかあります。

  • 人口減
  • 空家率の増加
  • 在宅ワーク従事者の増加

これらのポイントは、一見、賃貸事業には関連が無いように思われるものもありますが、見落としてはならないものと思っています。

人口減

人口減に関しては、言うまでもなくすべての現象の原因と言えるものです。
あらゆるもの需要が減っていくことを意味し、右肩上がりの成長カーブとは逆の発想をしなければなりません。
当然、これが空家率の増加にもつながり、総体的に住宅供給過剰をより進めていくことと思います。

空家率の増加

上に書いたことに加え、平成時代になってからの住宅の耐久性能向上によって、良質な一戸建て住宅が賃貸市場へ供給される傾向を増加させると考えられます。

アパート住まい→一戸建て持ち家
というこれまでの流れから
借家を目的に応じて借り替える
このような流れになるように思います。

このことは、国の政策としてもすでに顕れており

  • フローからストックへ
  • スラップアップアンドビルドからリユース・リストラクチュアへ
となっていくように思います。

現在、一戸建て賃貸住宅は、需要に対し供給が非常に少ない状態となっており、まったく入居希望者への対応ができない状態となっています。
このことは、逆に言いますと、潜在的需要の多さを物語っているようにも思えます。

将来的に、一戸建て賃貸住宅の増加があるとすると、当然、需要と供給の逆転が生じ、家賃の低下になっていくことは充分予想されます。
このことは、世帯型賃貸住宅である、2LDK・3LDK共同住宅との競合を意味します。

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在宅ワーク従事者の増加

社会の変化のスピードは早まっていると言われますが、この10年間の変化はまったく予想できなかった変化を見せました。
それは、インターネット環境の変化です。

よくIT産業と言われますが、ITに関しては単にその産業だけでなく社会構造の変化をもたらしています。

具体例をひとつ出しますと
書店大手である紀伊国屋書店の年間売上はおよそ1,100億円、経常利益は数億円と言われています。
一方、インターネット通販サイト『Amazon.co.jp』の国内の書籍売上は1,500億円、純利益は30億円以上となっています。
この差は、インターネットが社会に及ぼした変化を如実に顕わしています。

これまで日本は、大企業を頂点としたピラミッド型産業構造によって発展をしてきました。
しかしながら今後は、アメリカに見られるように、縦型社会から横型社会への移行が進んでいくと思われます。
それを、可能としているのがITです。

現在企業では、アウトソーシングがどんどん行われています。
本体を身軽にし、間接業務は外部へ委託する方式です。

アウトソーシングが成り立つのは、委託する側よりも、受託する側の体制が整ってきていることが要因としてあります。
すなわち、デジタル通信が、これまでのペーパーによる納品・顔を合わせてのミーティングなどを、無用のものにしてしまいました。

  • 社内に多くの種類の専門家を置く必要がない
  • 状況に応じて、専門家に業務を依頼する

アウトソーシングの増大は、個人事業家の増大へとつながっていきます。
また、経済の中心が地理的な意味での中心を意味しなくなってもいきます。
経済の中心は、情報の中心へと変わっていきます。

これまで、東京中心あるいは中核都市中心といった考え方が薄れ、生活と仕事が両立する環境への指向が強くなっていくのではと思います。

今後の賃貸事業は、以上のような社会の変化を見通した上で、計画をたてなければならないと考えています。

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